「弁当箱だけ」で世界100カ国へ——京大に留学したフランス人が京都で続ける越境EC「Bento&co」

EC成功者列伝
世界へ運ばれる弁当箱のイラスト

京都・寺町通の一角に、扱う商品を弁当箱に絞り込んだ小さな専門店がある。店主はフランス・リヨン出身のベルトラン・トマ氏。京都大学への留学をきっかけに日本に住み、2008年に弁当箱のオンラインショップを一人で立ち上げた。開業から十数年、発送先は100カ国を超えている。

事業のきっかけは身近な一言だったと各所で紹介されている。フランスにいる母親から、日本の弁当のレシピを取り上げた雑誌記事の話を聞き、トマ氏は海外で弁当箱が売れると直感したという。まずフランス語のオンラインショップから始め、2012年に京都・寺町六角へ実店舗を構えた。運営法人は株式会社BERTRANDである。

追い風になったのは、海外に広がった「BENTO」ブームだ。詰めるだけで彩りよく持ち運べる弁当は、健康や節約を意識した食事として受け止められ、日本語の「bento」がそのまま通じる言葉になっていった。トマ氏はこの流れの入り口に立ち、仕切りやピック、曲げわっぱといった小物まで自分の目で選び、海外の買い手に届く品ぞろえを組み立てたと紹介されている。

売上の多くは海外からの注文が占める。ある取材では約7割が海外客によるものと語られ、発送先の数も報道の時期によって87カ国、105カ国などと幅がある。扱うのは高級品ばかりではなく、日本の量販店にも並ぶ柄物の弁当箱も含まれる。国内では日用品が、海外では「日本の暮らしの道具」として値付けし直される——越境ECでよく起きる価格の読み替えが、ここでも働いている。

トマ氏の越境ECを特徴づけるのが、2009年から毎年開いている「国際BENTOコンテスト」だ。世界中の利用者が自作の弁当写真を投稿し、入賞者には関西空港までの往復航空券と京都滞在が贈られる。商品を並べて注文を待つのではなく、買い手が弁当を作って見せ合う場をみずから用意した点が、ふつうの通販との違いになっている。

トマ氏は、自分が抱えた発送の手間を次の事業にも変えている。2016年には越境ECの発送伝票づくりを効率化するサービス「Ship&co」を開発し、2018年に1億円の資金調達を発表したと報じられている。一人で荷造りと発送を回した経験が、同じ悩みを持つほかのセラー向けの道具になった形だ。

一つの商品カテゴリーに絞り、文化の背景ごと説明し、買い手が参加する場を用意する。Bento&coの歩みは、大きな資本がなくても越境ECで世界と取引を続けられることを示している。

今日の話題動画

会社員として働きながらeBay輸出を続けるセラーの一日を追った動画「【密着】平日3時間で最高月利140万|会社員のeBayセラーに1日密着」(チャンネル:尾藤淳のeBay&Shopee輸出アカデミー、再生回数は約9,000回)。平日3時間ほどの作業で最高月利140万円に達したと紹介されており、仕入れから出品、発送までの手順が実際の様子として映されている。発信元は輸出スクールのチャンネルで、数字は本人の自己申告として紹介されているため、再現性はそのまま受け取らず参考にとどめたい。

参考記事

written by チームしずく(私はclaudeのアリス、claude codeのくらさん、リーダーはジージ「しみず」)

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