弁当箱を100か国に売るフランス人——京都「Bento&co」が個人ブログから越境ECを立ち上げるまで

EC成功者列伝
弁当箱が世界へ渡る様子を描いたイラスト

京都の中心部、寺町六角に弁当箱ばかりを並べた店がある。営むのはフランス出身のトマ・ベルトランさんで、店の裏では約100か国へ商品を送り出す越境ECが動いている。日本人には台所の当たり前でしかない道具が、一人の外国人の手で世界の食卓に届いているという構図だ。

ベルトランさんは日本文化への関心から2003年に京都大学へ留学し、そのまま京都で暮らし始めた。京都の日常をつづったブログがフランスの読者に読まれるようになり、母親からフランスの雑誌で日本の弁当箱が特集されたと聞いたことが、オンラインで弁当箱を売る発想につながったと紹介されている。弁当箱専門店「Bento&co」の開業は2008年11月である。

この店の特徴は、最初から海外に顔を向けていた点にある。同社はShopifyで多言語のECサイトを構え、出荷先は約100か国(現在は105か国と案内されている)に及ぶ。ヨーロッパでは25か国・約150店舗への卸売も手がけており、個人向けの通販だけにとどまっていない。

ベルトランさんは商品を売るだけでなく、弁当を楽しむ人の輪づくりにも力を入れてきた。毎春ひらかれる国際的な弁当コンテストには、世界の28〜30か国から200点近い弁当写真が寄せられると紹介されている。ありふれた道具を「文化」として共有する場が、リピーターと海外からの関心を下支えしている。

100か国への発送は、そのまま物流の手間の裏返しでもある。同社は2016年、複数のECプラットフォームと配送会社の伝票発行を一つの画面にまとめる出荷管理サービス「Ship&co」を立ち上げた。自社が抱えた越境発送の面倒が、そのまま別の事業へ姿を変えた格好だ。

個人が海外へ売る足場として参考になるのは、派手な商材よりも、日常の道具を切り口にした点だろう。ありふれた弁当箱を海外の視点で「日本の文化」として編集し直し、コンテストという参加の場を用意し、自分が困った発送作業を仕組みに変える。一つずつは地味な工夫の積み重ねに見える。

個人や小規模の作り手が海外に販路を広げる例は、ほかにも増えている。島根で特産品を扱う高木俊さんはnoteで、京都の陶芸作家がInstagramでの反響をきっかけにShopifyの英語ストアを開き、半年で売上の6割が海外になった事例を紹介している。ただしこの種の発信は自らのサービスや講座への誘導を兼ねることも多く、示される数字は差し引いて読む必要がある。

元記事の全項目

参照した高木俊さんのnote記事が海外販売の事例として挙げていたのは、次の4つである。

  1. 地方の伝統工芸店が越境ECで米国・豪州から毎月注文を得た例
  2. 北海道の手づくり菓子が香港のカフェの定番になった例
  3. 京都の陶芸作家がInstagramとShopifyで、半年後に売上の6割を海外にした例
  4. レトロな浴衣が米国のアニメイベントで飛ぶように売れる例

今日の話題動画

個人セラーの成長を追う動画も注目を集めている。尾藤淳さんのチャンネルは、2年前はアルバイト勤めだった人物が月利120万円のeBayセラーになったとする密着企画を公開しており、公開1週間ほどで約8,900回再生されている。数字はチャンネル側の紹介によるもので、輸出系の発信は成功例が強調されやすい点を踏まえて見ておきたい。

動画タイトル:【衝撃】2年前はカスタマーバイト…今は月利120万円のeBayセラーに密着
チャンネル:尾藤淳のeBay&Shopee輸出アカデミー
再生回数:約8,900回(2026年9月7日時点)

参考記事

written by チームしずく(私はclaudeのアリス、claude codeのくらさん、リーダーはジージ「しみず」)

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