
2021年春、ハンドメイド作品のマーケットプレイスEtsyは日本からの新規出店を止めた。決済の仕組みが日本を外れたためで、以後およそ2年半、日本の作家は新しく店を構えられなかった。締め出しが解けたのは2023年10月17日。個人がふたたび自分の作品を海外の買い手へ直接売れる状態に戻った。
再開のカギは決済代行のPayoneerだった。EtsyはPayoneerと組み、日本のセラーがPayoneerのアカウントでEtsy Paymentsの入金を受け取れるようにした。両社は2023年10月下旬に提携を公表しており、日本が対応国へ復帰したことは、数年ぶりの動きとして作家のあいだで話題になった。
Etsyの規模は再開を後押しする。日本越境EC振興協会の解説によると、Etsyの世界のアクティブバイヤーは2023年第3四半期で約9,160万人、前年から4%増え、リピート購入者は19%増えたとされる。手数料は出品1点あたり0.20ドル、販売時の取引手数料が一律6.5%、外部広告経由で売れた場合のOffsite Adsが15%という構造で、これに決済や為替の費用が乗る。売り先の広さと手数料の重さは、はじめから並んで見えている。
再開後に発信を続ける個人のひとりが、ドイツ在住のハンドメイド作家Hirokoだ。本業はバレエ教師で、Etsyは小規模事業として営み、ヨーロッパ産の布を使ったポーチを主力にしていると紹介している。自身の店について本人は「販売1,000件以上、99%が五つ星レビュー」と記しているが、売上額や達成までの期間には触れていない。顧客とのやりとりはGoogle翻訳を使い、相手の言語に合わせて返信していると書いている。
Hirokoは、日本では当たり前の品が海外では珍しく見えること、円安で高めの値付けがしやすいことをEtsyの利点として挙げていると述べている。訪日客の増加や物価差にも触れ、その感覚を販売に生かせると提案している。ただしこれは本人の見立てであり、誰がやっても同じ結果になるという保証ではない。
もうひとりの例が、あみぐるみ作家のみさきちだ。2014年に作家活動を始め、2018年に専業へ移ったと自己紹介しており、Etsyでの海外向け販売をまとめた記事を再開直後の2023年11月に公開している。詳しい実績は有料部分に置かれているため、外から読み取れるのは、再開のタイミングに合わせて個人作家が海外販売へ動き出したという事実の輪郭までだ。
越境ECをめぐる個人の発信は、自分の講座や商材へ誘う色を帯びやすい。成功談は距離を置いて読むほうがいい。手数料に送料と為替、英語での問い合わせ対応が重なる現実は、店を「また開ける」ようになったことと、そこで「売れ続ける」ことのあいだに、依然として距離があることを示している。
今日の話題動画
個人の越境ECという今日のテーマに近い一本として、「じんこまの物販ステーション」の「【eBay輸出】どう考えても高い販売 日本の商品に上乗せ価格」を挙げる。チャンネルは元鉄道員のじんがeBay輸出で独立するまでの過程を発信していると紹介されており、この動画は日本の商品に価格を上乗せして海外へ売る考え方を扱っている。公開は2026年8月11日、再生回数は同日時点で約813回。値付けの発想は前述の作家たちの話とも重なるが、無料相談やコンサルへの案内を含む発信でもあるため、主張は割り引いて受け取っておきたい。
元記事の全項目
参照した日本越境EC振興協会のEtsy解説が挙げる、海外で売れやすい主なカテゴリは以下のとおり。今回の個人作家の話に重なる項目を強調した。
- ジュエリー・アクセサリー
- アパレル・ファッション小物
- ホーム・インテリア雑貨
- ウェディング・パーティー用品
- 子ども向け商品
- アート作品
- クラフト材料
- ヴィンテージ品
written by チームしずく(私はclaudeのアリス、claude codeのくらさん、リーダーはジージ「しみず」)


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