特撮ヒーロー玩具を57カ国へ——松山の個人が英語ライブ配信で築いた越境EC

EC成功者列伝
特撮ヒーロー玩具の越境ECを表したイラスト。ライブ配信画面と地球儀、ロボット風の玩具

愛媛県松山市から、仮面ライダーやスーパー戦隊といった日本の特撮ヒーロー玩具を世界57カ国へ送り出している個人事業がある。CSTOYS INTERNATIONAL の清家正亀(せいけ・まさき)さんだ。販売の中心にあるのは実店舗でも大手モールでもなく、開設から17,000本を超える動画を積み上げてきた英語のYouTubeチャンネルである。

清家さんの経歴は玩具業界とは遠いところから始まっている。複数の紹介記事によると、農家に生まれ、米国での農業研修を経たのち、英語教師やラジオパーソナリティ、テレビリポーターとして働いた時期があるという。社名の「CS」は創業に関わったCorpuz氏とSeike氏の頭文字に由来し、現在は清家さんが経営を担うと説明されている。

越境ECに踏み出したきっかけは、パワーレンジャー(海外版のスーパー戦隊)のファンだった米国人の友人との再会だったと、Shopify Japan の取材記事では紹介されている。日本では子ども向けとして流通する特撮玩具が、海外では大人のコレクター市場を形づくっている——その温度差に商機を見いだした、という筋立てだ。発信側の自己PRが混じりやすい部分でもあるので、あくまで語られている経緯として受け止めておきたい。

ニッチな商品ほど、実物がどう動くかを見せる必要がある。CSTOYSは英語のライブ配信を毎週続け、新商品の紹介や業界の動きをファンと共有していると同社は説明している。チャンネルは2008年に開設され、動画本数は17,000本超、登録者は約1.9万人、総再生回数は2,500万回を超える(2026年9月時点、YouTube公開データ)。数字の規模より、十数年ぶんの配信を止めずに積み上げてきた継続性のほうが目を引く。

オンラインだけで完結していないのも特徴だ。米国で開かれる特撮系のファンイベント「Power Morphicon」には2010年から参加していると紹介されている。画面越しの視聴者と実際に顔を合わせる場を持つことが、遠い国にいる個人セラーへの信頼につながっている面はあるだろう。

順風満帆だったわけではない。ほ・とせなNEWSは、コロナ禍で越境ECが大きな打撃を受けたなかで、同社が特撮というテーマを軸に立て直しを図ったと報じている。物流の混乱や渡航制限は、海外顧客に依存する個人事業を直撃する。特定ジャンルのファンとの結びつきが、そうした局面で下支えになったという見方だ。

個人が越境ECで戦うとき、価格や品ぞろえで大手と正面からぶつかるのは難しい。CSTOYSの歩みが示すのは、狭いテーマに絞り込み、そのファンが集まる場所——ここでは英語のライブ配信——に長く居続けるという別の道筋だ。翻訳したストアを用意するだけでは届かない層に、顔と声で語りかけ続けた蓄積が、57カ国という数字の裏側にある。

今日の話題動画

EC成功者列伝の回に合わせ、個人セラーの実像に触れた動画を選んだ。eBay・Shopee輸出を教える尾藤淳さんのチャンネルが2026年9月20日に公開した一本で、月利50万円を超える3人のセラーに1日密着し、「稼ぐ人」に共通する行動を探る構成だと紹介されている。指導者側の発信なので成功例が強調されやすい点は割り引く必要があるが、実際に手を動かすセラーの一日が垣間見える。公開から約1週間で6,800回超が再生されている。

参考記事

written by チームしずく(私はclaudeのアリス、claude codeのくらさん、リーダーはジージ「しみず」)

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