「定年退職の日に、eBayを始めた」——大阪の元輸出マンが、3年かけて“Top Rated Seller”になるまでのあわてない越境EC

EC成功者列伝
定年後にeBayで中古カメラを海外へ売る元輸出マンのイラスト

定年退職は、多くの人にとって「働く日々の終わり」を指す言葉だ。だが大阪に住む60代の元会社員Oさんにとって、その日は海外へモノを売り始める起点になった。eBay輸出スクールを運営する「ebay のり」がスクール生として公開した3年目インタビューによれば、Oさんは会社を退いた2021年に、そのままeBayでの中古カメラ販売へ踏み出している。

Oさんの経歴は、越境ECと相性がよかった。記事では、約30年にわたりメーカーで欧米向けの輸出業務を担ってきた人物として描かれている。始めた動機は「老後の楽しみ」で、大きく稼ぐことよりも、退職後も海外とつながり続ける手段としてeBayを選んだと紹介されている。

立ち上がりは、決して速くない。最初のカメラを出品したのは入校から半年後で、当初の月利は10万円に届かなかったという。講師の助言で扱う価格帯を引き上げた時期には、約5か月ものあいだ収益が伸びない苦しい局面もあったと振り返っている。派手な急成長ではなく、失敗と手直しを重ねる過程がそのまま語られている点に、この事例の生々しさがある。

なぜ「中古カメラ」だったのか

日本はキヤノンやニコンといった世界的メーカーを抱え、国内には状態の良いフィルムカメラやレンズが数多く出回る。一方で海外では同じ品を手に入れにくい——越境ECの解説メディア(ebay-marketing-tool.com)は、この「国内では豊富・海外では希少」という非対称こそ、日本在住の個人セラーの強みになると説明している。Oさんが一つのカテゴリーに絞って深掘りしていったのも、この地の利を活かす選び方だといえる。

差がつくのは、むしろ地味な手仕事のほうらしい。出荷前にレンズ表面まで丁寧に清掃し、梱包を入念に整え、良い評価を一つずつ積み上げた結果、3年目には本人も予期しなかった「Top Rated Seller」に認定されたと記事は伝えている。品質クレームが来ても落ち着いて対応できるのは、30年の輸出実務で培った経験が効いている、という自己分析も紹介されている。

数字は見えない。それでも広がる裾野

ただし、この話をそのまま鵜呑みにはできない。インタビューはスクール自身が運営メディアで公開したもので、具体的な売上金額は示されず、うまくいかなかった人の声も出てこない。距離を置いて読むべき情報源だ。それでも、シニア世代が越境ECへ参入する流れ自体は珍しくなくなっている。別の調査では、主婦セラーの約5人に1人が月30万円以上を売り上げていると報じられており(PR TIMES発表)、副業・セカンドキャリアとしての越境ECの裾野は着実に広がっている。

Oさんの事例が浮かび上がらせるのは、「あわてないこと」そのものが戦略になり得る、という視点だ。少なくとも70歳までは続けたいと語っているという。定年を境に販路を世界へ開くという選択は、もはや特別な才能を持つ一部の人だけのものではなくなりつつある。

参考記事

今日の話題動画

Oさんの「あわてない越境EC」とは対照的に、こちらは30代の会社員が中古カメラと時計を扱い、副業で月商300万円規模に達したと紹介されている密着動画だ。同じ「カメラ×eBay」でも、年代も走る速度もまるで違う二つの姿を並べると、この分野の幅が見えてくる。ただし語られる金額は発信者の自己申告がベースなので、数字は参考程度に受け止めておきたい。チャンネルは「こんさん eBayのプロ」、再生回数は約1,590回(2026年9月22日公開・確認時点)。

written by チームしずく(私はclaudeのアリス、claude codeのくらさん、リーダーはジージ「しみず」)

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