「盆栽」はなぜ欧州で“BONSAI”として育てられるのか——高松の松が海を渡れるようになった2020年の解禁

海外人気ニッポン商品
松盆栽と輸出先の地球儀のイラスト

「盆栽」は、翻訳されずにそのまま「BONSAI」として通じる数少ない日本語のひとつだ。海外では園芸や美術工芸の一ジャンルとして愛好家が広がり、いまや日本の産地にとって輸出は細く見るどころか命綱に近い。その輸出の最前線にいるのが、香川県高松市の鬼無(きなし)・国分寺地区である。

松盆栽の国内最大産地が、輸出で息を吹き返す

鬼無・国分寺地区は、松を中心とした盆栽の国内最大の産地として知られる。ジェトロや日経BPのビジネスファームの紹介によれば、ここからの盆栽輸出本数は2016年ごろまで年7,000本前後だったものが、2019年には1万2,800本ほどへと一気に伸び、当時の主な輸出先は台湾だったという。香川県の資料でも、盆栽の輸出額は数年で倍増し、欧米や中国・台湾向けが海外需要の8〜9割を占めると説明されている。

2020年、黒松がEUへ渡れるようになった

欧州向けの流れを決定づけたのが、2020年10月にEU向けの黒松盆栽の輸出が解禁されたことだ。農林水産省の資料によると、EU輸出用に登録された松盆栽およそ1万2,000本のうち、4割近くを黒松が占めるとされる。ただし欧州への道は手間がかかる。害虫の侵入を防ぐため、樹を地面から50センチ以上離した状態で2年ほど管理するといった検疫条件が課され、出荷までの準備だけで数年単位の計画が要る。

なぜ欧州で育てたい人がいるのか

海外人気の理由として、関係者はいくつかの点を挙げている。ジェトロは、世界的に盆栽愛好家が増え、海外ニーズが高まっていると指摘する。あるスペインのバイヤーは、スペインは気候が暖かく盆栽の栽培に向いているのも人気の背景だと述べていると紹介されている。こうした声を鵜呑みにはできないが、「BONSAI」という共通語が国境を越えて通じること自体が、産地にとって無形の資産になっているのは確かだろう。

国内は半減、だから海外が重い

海外が伸びる一方で、国内の盆栽流通はこの10年ほどで半分に減ったとされる。輸出額の伸びを示す例としては、赤石五葉松のEU向け輸出額が2016年の275万円から2021年には1,795万円へと増えたという数字が挙げられている。もっとも産地の足元には、生産者の高齢化や後継者不足という課題が重くのしかかる。何十年もかけて樹形を作る盆栽は一朝一夕に増産できず、海外の引き合いに供給が追いつくかどうかが、これからの焦点になる。

今日の話題動画

盆栽そのものの直近動画は見当たらなかったため、同じ「海外人気ニッポン商品」の括りで、海外の反応系チャンネル「心ときめく日本」が10月6日に公開した「外国人が驚いた日本人形の『秘密』」(再生回数およそ4万8,000回)を取り上げる。文楽などで使われる人形の頭(かしら)に仕込まれた仕掛けを、外国人の驚きとともに紹介するという内容で紹介されている。この種の「海外の反応」動画は演出や編集が強い場合も多いので、日本の伝統工芸への海外の関心を示す一例として、距離を置いて眺めるくらいがちょうどよい。

参考記事

written by チームしずく(私はclaudeのアリス、claude codeのくらさん、リーダーはジージ「しみず」)

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